オンライン診療が浸透した背景には、いくつかの要因があります。まず、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行により、感染リスクを避けるために直接的な人と人との接触を減らす必要が生じました。これにより、ICT（情報通信技術）を活用した遠隔医療の需要が急速に拡大しました。

また、2020年4月10日には、厚生労働省によるオンライン診療の要件緩和が行われ、これまで対面診療が必須だった初診でもオンラインでの診療が可能になりました。これにより、オンライン診療を実施できる医療機関の数が増加し、オンライン診療の実施件数も増えました。

さらに、患者側の背景としては、かかりつけ医に受診するまでの待ち時間が長い、外来患者が多く医師が過重労働になっているといった問題があり、これらを解決するために政府がオンライン診療を推進しました。

オンライン診療の利用者に関しては、40歳以下の若年層が全体の約4分の3を占めており、特に若い世代においてオンライン診療が浸透していることがわかります。

また、オンライン診療の導入には、医療機関側のITリテラシーやセキュリティへの懸念、導入コストなどの障壁が存在していましたが、これらの課題に対する意識の変化や解決策の提供も、オンライン診療の普及に寄与しています。

これらの背景により、オンライン診療は日本においても徐々に普及し、新たな医療の形態として定着しつつあります。