2027年4月に予定されている食料品の消費税率の引き下げについて、外食業界から「客離れ」への懸念が強まっています。日本フードサービス協会は10月9日、関連団体と合同で会見を開き、会員企業への調査結果を公表しました。この記事では、その内容と、小さな飲食店の経営者が今から進めたい準備を整理します。
ニュースの要点:外食企業の約6割が「客数減」を予測
食品新聞(2026年10月19日)によると、日本フードサービス協会が外食企業204社に尋ねたところ、税率引き下げの直後(2027年4月)に客数が減ると見込む企業は118社(57.8%)でした。特にファミリーレストランと居酒屋・パブで不安が強いとのことです。
また、客足が元の水準に戻るまでに半年から2年ほどかかると答えた企業は、118社中78社(66.1%)にのぼります。影響が長引くと見る企業が多いことになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査対象 | 外食企業204社 |
| 2027年4月に客数減を見込む | 118社(57.8%) |
| 回復まで半年〜2年と回答 | 118社中78社(66.1%) |
背景:税率差が2%から9%に広がる
日本食糧新聞(2026年10月5日)によると、食料品の税率が1%になる一方、店内飲食は10%のままです。スーパーやコンビニの食品と店内飲食の税率差は、現在の2%から9%に広がります。
同紙によれば、2019年の軽減税率導入時には2%の差が生じ、外食全体の来客数が一時的に5.4%減りました。今回はそれを上回る影響が懸念されています。協会は対策として、プレミアム食事券の導入や、「本体価格+税」で表示できるようにする価格表示の見直しを求めています。
店舗運営への影響
「外食は割高」という印象が広がる
値段が変わらなくても、スーパーの惣菜や弁当が大きく安く見えれば、「外で食べるのは損」という空気が生まれやすくなります。協会の会長も、外食だけが対象外になることでこうした空気が根付くことを心配しています。
メニュー・レジの改修コストと順番待ち
税率変更に伴うメニューの作り直しや、レジ・システムの改修は費用負担が大きいと指摘されています。システム会社への依頼が集中し、順番待ちも起きているとのことです。直前に慌てると、4月に間に合わないおそれがあります。
経営者が今から取るべき対策
1. レジ・POS会社に改修日程を今すぐ確認する
改修費の見積もりと作業可能な時期を、早めに確認しておきましょう。中小事業者向けの補助金も関連記事で解説しています。
2. 価格表示の方針を決める
税込表示を続けるのか、本体価格を併記するのかで、メニューの作り直し範囲が変わります。表示ルールの見直し議論も続いているため、最新の情報を確認しながら方針を固めてください。
3. テイクアウトの導入を試験的に検討する
持ち帰りが食料品の低い税率の対象になる見通しのため、テイクアウトの導入が選択肢になります。ただし、店内で食べる良さが強みの店では、全面的な転換は不向きです。看板商品の一部だけを持ち帰り可にして、反応を見る進め方が現実的です。
4. 「店で食べる理由」を言葉にして伝える
作りたての温かさ、会話、座って過ごす時間など、家や惣菜では得られない価値を、店頭やSNS、LINEで伝えましょう。常連のお客様への声かけも、客数の下支えになります。
5. 資金繰りの余力を確保しておく
客足の回復に半年〜2年かかるという見方もあります。損益分岐点を確認し、数か月の売上減に耐えられるかを試算しておきましょう。
まとめ
税率の差は、お客様の気持ちに働きかけます。まずはレジ改修と価格表示の方針を固め、少しずつ「店で食べる価値」を伝えていくことが、4月以降の備えになります。なお、制度の詳細は今後変わる可能性があるため、国の最新の発表をご確認ください。

