真夏にインフルエンザ早期流行 飲食・小売店の欠勤・衛生対策

真夏にインフルエンザが早期流行していることを伝え、店舗の欠勤・衛生対策を促すアイキャッチ画像 ニュース解説

例年は冬に流行するインフルエンザが、2026年は真夏の8月から広がりを見せています。人が多く集まる飲食店・小売店では、スタッフや来店客への影響を早めに想定しておきたい状況です。最新の流行状況と、人手不足のなかで店舗が取るべき対策を整理します。

真夏にインフルエンザ流行入り 2026年は例年より早いペース

厚生労働省の定点報告によると、2026年第32週(8月3日〜9日)の全国の定点当たり報告数は0.52で、前年同週の0.30、前々年同週の0.38を上回りました。都道府県別では地域差があるものの、神奈川県では第33週(8月10日〜16日)に定点当たり1.37となり、流行開始の目安とされる「1.0」を超えています。同県は、昨年と比べて約1カ月半早く流行開始の目安に達したとしています。

首都圏では埼玉県や川崎市など一部の地域でも目安を上回っており、真夏としては異例の動きです。全国的な大流行に至っているわけではありませんが、繁忙期を控える店舗にとっては、早めの備えが安心につながります(出典:厚生労働省「定点当たり報告数の推移」、東京都感染症情報センター、神奈川県の発表)。

背景:夏風邪と見分けにくい「気道症状型」

今シーズン報告されている流行の中心はA型の変異株とされ、従来のインフルエンザで目立った高い発熱や強い関節痛よりも、鼻水・せき・のどの痛みといった気道の症状が出やすいと報じられています。初期には夏風邪やアレルギーと区別がつきにくく、本人が「ただの風邪」と考えて出勤し、結果的に周囲へ広げてしまうリスクが指摘されています。症状の程度には個人差があり、体調不良時は医療機関への受診を検討することが大切です。

店舗運営への影響:人手不足のなかの「同時欠勤」リスク

慢性的な人手不足が続く店舗にとって、最大のリスクはスタッフの同時欠勤です。少人数で回している店では、1〜2名が欠けるだけでもシフトが崩れ、営業時間の短縮やサービス品質の低下につながりかねません。感染が広がれば、代わりの人員も確保しにくくなります。

飲食店では、食品を扱う従業員の体調管理がとりわけ重要です。食品衛生法にもとづくHACCPの衛生管理では、下痢・発熱・嘔吐などの症状がある人を調理に従事させないことが求められています。食中毒の多くが調理従事者を介して起きるとされるように、有症状のまま勤務することは、食中毒の発生や店舗の信用低下に直結するリスクとなります(出典:厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理の手引き」)。

経営者が取るべき対策

1. 出勤前の体調チェックを仕組みにする

発熱・せき・のどの痛み・下痢などの有無を、出勤時に確認するチェックリストを用意しましょう。口頭で「大丈夫?」と聞くだけでなく、記録に残す運用にすると、担当者による判断のばらつきを防げます。

2. 有症状者の就業ルールを事前に決める

とくに調理や食品を扱うスタッフは、下痢や発熱があるときは調理に従事させないことが基本です。「どの症状のときにどう対応するか」をあらかじめ文書化してスタッフに周知しておくと、当日の判断で迷いません。あわせて、体調不良時に休みやすい雰囲気づくりも、無理な出勤を防ぐうえで効果的です。

3. 手指衛生・換気・共用部の清掃を徹底する

手洗いや手指消毒をしやすい環境を整え、ドアノブ・レジまわり・卓上などの共用部をこまめに清掃・消毒します。定期的な換気も基本的な対策です。来店客向けの消毒設備が切れていないかも、この時期に点検しておきましょう。

4. 欠勤に耐えるシフト体制を準備する

応援を頼める人員のリスト化、複数の業務をこなせる多能工化、早めのシフト調整など、欠勤が出ても回る体制づくりを進めます。シフト管理ツールを使えば、急な交代の連絡や調整もスムーズに行えます。

まとめ

2026年はインフルエンザが例年より早く動き出しています。本格的な流行には地域差がありますが、人手不足の店舗ほど「同時欠勤」の打撃は大きくなります。①出勤前の体調チェック、②有症状者の就業ルール、③衛生・換気の徹底、④欠勤に耐えるシフト体制、の4点を今のうちに整え、繁忙期に備えましょう。

出典

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