エリエール紙製品8月15%値上げ|店舗の消耗品コスト対策

紙製品が8月から15%以上値上げ。エリエール等 家庭用・業務用が対象。飲食・小売・テイクアウト店の消耗品コスト対策 ニュース解説

大王製紙が「エリエール」ブランドを含む紙製品を2026年8月1日納品分から15%以上値上げしました。飲食店や小売店、テイクアウト店にとって、トイレットペーパーやペーパータオル、ナプキンといった衛生消耗品は毎日使う「見えにくい固定費」です。同年4月に続く2度目の値上げで、店舗の消耗品コストは着実に膨らんでいます。本記事では値上げの要点と背景、店舗運営への影響、そして今日から取り組める具体的な対策を解説します。

1. ニュースの要点|エリエールなど紙製品が8月から15%以上値上げ

大王製紙は2026年5月15日に、「エリエール」ブランドを展開する家庭用・業務用製品の価格改定を発表しました。対象は家庭用・業務用製品の全品(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチンタオル、ペーパータオルなどの紙製品および紙加工品)で、改定率は現行価格より15%以上、2026年8月1日納品分から適用されています(出典:大王製紙「家庭用・業務用製品の価格改定について」2026年5月15日)。

注意したいのは、これが2026年に入って2度目の値上げだという点です。同社は同年4月1日納品分からも10%以上の価格改定を実施しており、今回の8月分はその改定後の価格を基準としています。つまり、店舗が仕入れる紙製品の単価は、年初からの数か月で大きく積み上がっている計算になります。

時期(納品分)改定率主な対象
2026年4月1日〜10%以上ティシュー・トイレットペーパー等 紙製品の一部
2026年8月1日〜15%以上家庭用・業務用製品 全品(4月改定後価格が基準)
大王製紙の2026年の価格改定(同社公式発表をもとに編集部で整理)

2. 値上げの背景|原材料・資材コストと中東情勢

今回の価格改定について大王製紙は、中東地域における情勢不安を背景とした原材料・資材の調達価格の上昇に加え、供給面での不透明感が強まっていることを理由として挙げています。生産性の向上や諸経費の削減、調達方法の見直しといった企業努力だけではコスト上昇を吸収しきれなくなった、との説明です(出典:大王製紙 価格改定リリース 2026年5月15日)。

紙製品はパルプや古紙といった原料に加え、製造時の燃料費、そして各店舗まで運ぶ物流費が価格に大きく影響します。原油や為替、物流の人件費が高止まりする局面では、メーカーが自社努力だけで吸収しきれず、価格転嫁に踏み切らざるを得ないのが実情です。こうしたコスト構造は業界全体に共通するため、今後ほかの製紙メーカーが追随する可能性も念頭に置いておくと安心です。

あわせて、2026年8月は食品分野でも値上げが相次いでいます。缶詰やハム、冷凍食品などの保存性の高い商品を中心に多くの品目が改定される見込みで、店舗にとっては「食材」と「消耗品」の両面からコスト圧力がかかる夏になっています。

3. 店舗運営への影響|「見えにくい固定費」がじわりと増える

紙製品は単価が小さいため軽視されがちですが、店舗運営では毎日必ず消費する固定費です。値上げの影響は業態ごとに次のような形で表れます。

飲食店への影響

紙ナプキン、ペーパーおしぼり、テーブル拭き用のペーパー、厨房のキッチンタオル、客用トイレのトイレットペーパーなど、紙製品の使用場面は多岐にわたります。来店客数が多い店ほど消費量も大きく、値上げの影響がダイレクトに原価へ跳ね返ります。

小売店への影響

バックヤードやトイレで使う紙製品のコスト増に加え、店頭で販売する紙製品そのものの仕入れ価格も上がります。販売価格へ転嫁するか、利益を削って据え置くかという価格戦略の判断が求められます。

テイクアウト店への影響

手拭き用ペーパーやナプキンを商品に同梱する店舗では、提供数に比例して消耗品コストが増えます。1点あたりの利益が薄い業態ほど、こうした細かなコスト上昇が積み重なると収益を圧迫します。

4. 経営者が取るべき対策|今日から見直せる6つのポイント

値上げそのものは避けられませんが、支出のコントロールは工夫次第で可能です。以下の6点から、自店に合うものを検討してみてください。

(1) 業務用・大容量への切り替えとまとめ買い

家庭用サイズを都度購入している場合、業務用の大容量品やケース単位のまとめ買いに切り替えると、単価を抑えやすくなります。保管スペースと使用ペースを踏まえ、無理のない範囲で発注ロットを見直しましょう。

(2) ディスペンサー化で使用量を最適化

ペーパータオルやナプキンは、取り出し口を絞ったディスペンサーを使うことで1回あたりの使用枚数を抑えられます。使いすぎを防ぐだけで、月間の消費量が目に見えて変わるケースもあります。

(3) 相見積もり・仕入れ先の比較

同じ製品でも、卸業者・ネット通販・ホームセンターで価格や送料条件は異なります。値上げを機に複数の仕入れ先で相見積もりを取り、条件のよいルートへ切り替えるだけでコストを下げられることがあります。

(4) 在庫管理で欠品と過剰在庫を防ぐ

「安いときにまとめて買う」際も、過剰在庫は保管コストや劣化のリスクを生みます。消費ペースを把握し、適正在庫を保つことがムダのない仕入れの基本です。

(5) 代替手段の検討

紙おしぼりを布おしぼり(レンタル)に切り替える、トイレの手拭きにエアタオル(ハンドドライヤー)を併用する、グレードを一段見直すなど、用途によっては代替手段でコストと衛生の両立を図れます。衛生基準を満たすことを前提に、自店の運用に合う方法を選びましょう。

(6) 価格・提供方法の見直し

コスト増が続く場合は、メニュー価格や商品価格への適正な転嫁も選択肢です。あわせて、ナプキンを「必要な方はスタッフまで」とする運用など、提供方法の工夫で消費量そのものを見直す方法もあります。顧客満足とのバランスを見ながら判断してください。

まとめ

大王製紙の紙製品値上げは、2026年に入って4月・8月と続く2度目の改定であり、店舗の「見えにくい固定費」を確実に押し上げています。単価は小さくても毎日使う消耗品だからこそ、仕入れルートの見直し、使用量の最適化、代替手段の検討といった地道な対策の積み重ねが効いてきます。食品の値上げとも重なる局面だからこそ、消耗品コストにも一度目を向けてみてはいかがでしょうか。

出典

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